影響された世界にて
すると食べ物の装置は「ガガガガガッ!!!」という変な機械音を立てた後、「ブハァァァァァ!!!」という気持ち悪い音とともにゲロのような物を、ルリジとウォーにぶちまけた……。ゲロのような物を全身に浴びた2人は、一体何が起こったのかわからないという表情で突っ立っていた……。
『ああ、申しわけありません!!! クリーニング代はお支払します!!!』
ロボは、文字通り頭を下げて謝った……。2人は返す言葉も無いようで、「ハハハ……」と空しく苦笑いをしていた……。なぜか、ピスが一瞬ほっとしたような表情を浮かべていた……。
『そ、それじゃあ。次は『機関室』へ御案内しますね』
ロボは少し焦りながらターボリフトのほうへ案内した。ロボの後ろをルリジとウォーがゲロのような物を服や体から払い落としながらついていく。
「もう帰ろうよ!」
ピスがターボリフトに乗りこんでいくルリジたちに叫ぶ。既に艦内に入ってから、1時間が経っていた。(もちろん、ルリジたちは、腕時計など持っていない。)
『……次の『機関室』が最後ですので』
ロボが説得する。だが彼女は、まったく納得できない様子で、
「もう帰るの!!!」
目を見開いて怒鳴った……。
そこでルリジとウォーは、彼女をターボリフトに無理やり引っ張って乗せた……。彼女が乗ると、すぐにドアが閉まり、ターボリフトは動きだした。
「帰るの!!! 帰るの!!!」
彼女は泣き出した……。
「もうすぐだから、ピス……」
泣くピスをルリジは必死になだめた。ウォーは、「やれやれ、これだから女は」という感じで見ている。
しばらくして『機関室』に着いた。ピスはまだ泣いている……。
『さぁ、ここがこの艦の『機関室』となります!!! 危険ですので、機械や装置には触らないでください!』
機関室の床は水で濡れており、部屋に入ったときに、ルリジは転びそうになった。そして、とても蒸し暑かった。
機関室の真ん中には、天井まで届きそうなほどの大きな機械があった。だが、その機械は黒こげになっており、動いている気配は全く無かった。しかし、ルリジの目は輝いていた。ウォーもその機械に興味を持っているようだった。
『この機械は、この艦を動かすのに最も重要な物です』
「この艦を動かしてみてよ!」
ルリジが期待を目に浮かべながらロボに頼んだ。しかし、ロボはとても残念そうに、
『残念ですが、現在、動かすことができないのです……』
「なんで?」
『それが、この世界に着陸する際に事故が起きてしまったようなのです。直す人もどこかへ行ってしまいましたし……』
「……ぼくが直そうか?」
『……すいませんが、お断わりします』
「なんでだよ……」