影響された世界にて
ガガップシューーー!!!
ルリジたちの背後で、何かが閉まる音がした……。乗ってきたターボリフトのドアが閉まっている。周囲を見渡すと、ピスがいないのがわかった……。
「ピス!!!」
ルリジはターボリフトのドアに駆け寄ると、ドアを力まかせに開き始めた。ウォーも手伝おうとドアに駆け寄る。
『あの、危ないですよ!』
ロボがルリジたちの後ろで言う。しかし、必死のルリジたちには、ほとんど聞こえていないようだった……。
そして、「ガリッ!!!」という異音とともに、ターボリフトのドアは開いた。すぐにルリジは、ドアの向こうへ駆け出す。
……だが、そこは真っ暗闇で、床が無かった……。
「ウワァァァァァ!!!!!!」
ルリジは悲鳴を上げながら、床の無い真っ暗闇に倒れていった。しかし、危機一髪のところで、ウォーに助けられる。
「ありがと、ウォー。 おい、ピスはどこだ!!!」
ルリジはウォーに礼を言うと、ロボにピスはどこかと乱暴な口調で聞いた。
『……ええと、ターボリフトを降りまして……。 あっ、外へ出ていきました!』
ロボは考え事をしているような様子でそう言った。
そこで、ターボリフトが戻ってきた。その中に彼女は乗っていなかった。
『それに乗っていってください。ワタシも後から追いかけますので』
ロボがそう言うと、ルリジとウォーはすぐにターボリフトに乗りこんだ。そして、ドアが閉まり、ターボリフトは動きだす。
機関室には、ロボだけが残された。
『コンピューター、あの女の子の情報を教えてくれ』
静かになった機関室で、ロボはそうつぶやいた……。
『ビー!!! 精密検知センサーが故障しています。修理チームを呼んでください』
機関室のどこかに取り付けられているスピーカ−が、素っ気無くそう答えた……。
『クソ!!!』
ロボは怒鳴った……。シュールな一場面だった……。