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司令官は名古屋嬢 第1話 『中京都軍』

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第5章 あの男が帰ってきた。(棒読み)



 大須たちが振りかえると、そこには『CROSS』のリーダーである山口が、自分の荷物を持ちながら、ニヤニヤして立っていた……。

「山口さんたちこそ、昇進の話以来、何の連絡も無かったので、死んだのかと思っていましたよ」
 大須が華麗に言い返した。山口は基地内にある喫茶店のほうを指さすと歩き始めた。大須もいっしょに歩き始め、その後を上社と守山が追う。歩きながら山口が口を開いた。
「悪いな、ここ最近いろいろあって忙しくてな」
「異次元の情報を得るために、第三国の『幻想共和国』の新聞を購読していますので、だいたいのことはわかっています」
「……そうかい。じゃあ、異次元ステーション『DW9』やでの、オレたちの被害は知っているな?」
「……ええ、知っていますよ」
「悪魔たちとの戦争が始まったことも知っているな?」
「それも号外で一週間ほど前に……」
「あとは、……他はまぁいいだろう。 異次元ステーションや戦争の件を知っているなら話は早い。現在、CROSSは人手不足に落ちいっているんだ。だから、この世界で待機させている『CROSS』の隊員を全員、特務艦に乗せていかなきゃいけないんだ」
「……ここの防衛が手薄になってしまいます!」
大須は、焦りの表情を見せた。彼女が指揮する『中京都軍』は国家の軍隊ではなく、山口が創設した私設の軍隊なのだから……。
「まぁ落ちつけ大須」
山口は大須をなだめるように手を動かし、ちょうど基地内の喫茶店についたので入っていった。その後ろを大須たちが無言でついていった……。

 喫茶店に入った4人は、山口と大須、上社と守山、とそれぞれカウンター席に分かれて座った。守山は大須と離れることにムスッとしたが、山口からおごりとしてお金をわたされ、渋々引き下がった。