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司令官は名古屋嬢 第1話 『中京都軍』

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第4章 物語始まったな



 『CROSS』の船は、なんとか自分たちの基地内の規定の地点に着陸できていた。ただ、船体の先端部分には、ぶつかった鳥の血や肉片がべっとりとこぶりついていた……。バードストライクというやつだ。
 船の2つある円筒状のエンジンは停止しており、船からはすでに『CROSS』の隊員たちが、各自の荷物を持って、次々に降りてきていた。しかし、誰も出迎えがいないため、首をかしげていた。
「誰もいないぞ」
「まさか、敵に全滅させられたんじゃ……」
「んなわけないだろう! 縁起が悪いことを言うなよ!」

 隊員たちがそう言い合っているところに、大須たちを乗せた車が青い回転灯を光らせながら到着した。彼女たちが乗ってきた車はトヨタの『プリウス』(色は青色)で、中京都軍仕様のパトロール車両だ。前の運転席や助手席に中京都軍の一般兵が乗っているところをみると、彼女たちはたまたま通りかかったパトロール車両を無料のタクシーにしたようだ。車は、隊員たちが集まっている船の出入口で止まった。

「ほら、さっさと降りて!」
 後部座席のドアから上社が守山に押されて、あわてて降り
てきた。そして、反対側のドアからは、大須と守山がゆっく
りと降りてきた。3人とも高校の制服のままだった。
「おお、ナナちゃん!! 久しぶりだね!! 今夜あいてるかい?」
 美人な大須が来たことに気づいた隊員が、大須に冗談を言った。……だが、大須のすぐ横で、般若のような顔で睨んでいる守山に気がつくと、すぐに荷物を持ってどこかに行ってしまった……。
 大須たちは、その場にいる隊員たちに次々と挨拶して回っていた。隊員たちは男女を問わず元気であったが、以前いた隊員の何人かは、どこにもいなかった……。

「大須〜!!! まだ生きてたか!!!」

 大須たちの後ろから、とても聞き覚えがある声が聞こえてきた……。 その声に大須たちは、苦笑いしながら振りかえった……。