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司令官は名古屋嬢 第1話 『中京都軍』

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第7章 ゆとり世代の兵士たち



「山口さんのお帰りかよ」
「また戦争か」
「仕事が増えそうだな……」
「給料が高くなきゃ辞めてるよ、この仕事。うちの親は、親戚に息子さんは何の仕事をしているんですかと聞かれたら、派遣だと答えてるらしいぜ……」
「合コンでも、中京都軍で働いてるってことがわかると、すぐに引かれちまうんだよな……」
兵士たちはブツブツ文句を言っていた。

「早く仕事に戻りなさい!!!」
大須は大声で兵士たちに怒鳴った。
 兵士たちは驚きながらも、まだブツブツ文句を言いながら、自分の持ち場へ戻っていく。

「……最近、兵士たちの士気が低下しています」
上社が小声で言う。
「あんな連中、さっさと首にしちゃえばいいんですよ!!」
守山が大声で言う。
「……仕方がないよ。中京都軍は、世界保安省よりはマシだけど、一般人から嫌われているし……。それに、命を失うこともある危険な仕事だもん」
大須がため息をついて言う。

 大須たちは軍服に着がえてから司令官室で腰を降ろした。
「……そういえば、東山、遅いですね」
「そうね。そんなに時間がかかることではないはずなのにね……」
大須が置き時計を見てから言う。
 その時、ドアがノックされ、
「大須大尉! 東山ですが遅くなりました」
そう言って東山中尉が入ってきた。
「……遅かったね」
「それが、すぐそこで中佐に呼び止められまして……」
「中佐にって、この本部に来たの?」
そう言うと、大須は窓の外をのぞきこんだ。ちょうど、山口専用の高級外車が、中京都軍の兵士たちに敬礼されながら外へと出ていくところだった。