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司令官は名古屋嬢 第1話 『中京都軍』

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「ふざけるな、クソ女!!! ちょっと車から降りろ!!!」
川路はキレた様子で怒鳴った。……が、信号が変わり、両方とも車が動きだし、2台は離れて言った。川路は、まだギャーギャー言っているようだが、交差点の騒音で声が届かなかった。しかし、交差点が静かだったとしても聞こえないだろう。なぜなら、川路がキレ出したぐらいのときに、大須は、防弾ガラスでできた車の窓をさっと素早く閉めていたからである……。

「世界保安省の人たちは、ほんとうるさいね」
本部についた大須たちは、車を降りて歩いていた。
「お金が無いからって私たちに八つ当たりなんて、情けない奴らですね」
守山がプンスカしながら大須に続いて言う。上社は、先ほどのやり取りが怖かったのか、あまり元気がないようだ……。
「山口からもらえる資金を、私たちの方が多く受け取っていることが気に入らないだけ。ほっとけばいいの」

 そして、大須たちは本部の建物の中に入っていった。中に入ると、ロビーの少し高い位置に取り付けてある大型テレビの周りに、兵士たちが集まっていた。何が映っているのかと大須たちがよく見てみると、たいしたことではない、ただ山口が「傀儡」の記者クラブの連中たちを相手に記者会見をしていたのだった。
『……以上のように、この世界のみなさんには、今まで通り生活していただきたい。確かに現在、私たち『CROSS』や他の世界の同胞たちは苦戦をしている。だが、今回の戦争も必ず勝つ!』
山口は強くそう言った。そこで不自然にタイミング良く、記者が手を挙げ山口に質問した。
『山口中佐。我々一般人には何ができますか?』
『中京都軍や世界保安省の機関に情報提供などの協力をしていただきたい。敵の工作員がこの世界に潜入してくる可能性もあります』
このような記者からの質問の受け答えの後、記者会見は終わった。