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記憶

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その日を境に
彼女の記憶は少しずつ
だけと確実に失われていった
過去の記憶から順に
彼女の過去は薄れていった
だけど消えていく記憶に
僕はおろか、当の彼女さえも
特に何も感じ無かった
それは元々言われないと思い出せないほど些細なことだったり
消えたことさえも気づかないほどだったからだ

だけど

「わからない...」
「そんなわけ無いでしょう?この子は貴女が一番仲が良かったじゃないの!」
「でも、わからないんだから仕方ないじゃない」
彼女の母親は違った
それはそうだろう
彼女の母親にしてみれば娘が一番可愛かった時期の記憶だ
彼女の母親は彼女の記憶を戻そうと必死になった
数々の医者に見せあらゆる手を尽くしたが
何一つ改善されることは無かった
医者が一様に出した結論は



作品名:記憶 作家名:浅倉