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記憶

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記憶





優しい光が
高い位置の窓から差し込み 俯く君の白い肌を優しく照らしていた
僕はそれを見つめながらコーヒーを飲んでいた
いつも通りのありふれた昼下がり
僕らは適度に幸せで
その適度な幸せがずっと続くと思っていた
ずっと続くことを願っていた

ふと君の動きが止まる
見ていたのは古いアルバム
はられた写真の一つを見つめ
彼女は何か考えるような表情を見せていた
「どうしたの?」
「...これ...」
おのずと指差された写真を覗き込むとそこには
幼いながらも人目で分かる彼女の姿と
その他友達だろう同じような歳の少女が三人
「これが...どうしたの?」
いたって普通の写真の気がしたし
それにはきっと間違い無い
だけど彼女の顔は未だ晴れない
「なんか変なことでも?」
「....」
何も反応を示さず写真を見続け
おもむろに
彼女は口を開いた
「ここに写ってる人たちみんな
まったく思い出せないの...」



優しい光
高い位置の窓から差し込み 俯く君の白い肌を優しく照らしていた
僕はそれを見つめながらコーヒーを飲んでいた
いつも通りのありふれた昼下がり
僕らは適度に幸せで
その適度な幸せがずっと続くと思っていた
ずっと続くことを願っていた

願っていた



作品名:記憶 作家名:浅倉