大魔王ハルカ(旧)
不幸なことにルーファスが動けないということは、ペットハウスの中にいるハルカも動くことができない。しかもハルカには外の状況がわからない。
「(な、なに、この嵐の前の静けさみたいなのは!? やな雰囲気がするんだけど……)」
不安でいっぱいになるハルカ。だが彼女は無力だった……ネコだからね。
ネコでなくとも、この場では誰もが無力だった。
沈黙を続けていたファウストが口を開いた。
「ひさしぶりですね(まさか、ここで再びこの人に出会うとは)」
「ファウスト先生も相変わらず黒でシックに決め込んでいるな……(腹の中身も真っ黒だ)」
再び沈黙が始まる――。
作品名:大魔王ハルカ(旧) 作家名:秋月あきら(秋月瑛)