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えすぱーと一般people!

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「どこって、浄化したんやからどこにもおらへん。霧散してバイバイや。魔女っ子みたいやろ。萌えるやろ」
「だから俺は魔女っ子萌えじゃねえ!」
「そんだけ元気やったら波原さん担いでや。多分起きへんから」
 それから、石井が、携帯電話で波原さんの家へ連絡し、波原さんは貧血かなんかで倒れたことにして家まで送り届けることになった。
 石井は疲れたなどといつもの調子で抜かしているので、波原さんは譜都が背負って歩く。いろんな意味で汗を掻きながら夜道を歩いて行く。
「……石井、いったいこれはどういうことなんだ」
「フラグが立つかもしれないってことや」
「違ぇ!さっきの狐みたいな奴とか、おまえの事とかだ!」
「わいのフラグは立たんぞ譜都」
「そんなフラグ折」
「世の中には本物の霊媒師もいるってことや」
 唐突に真面目な口調になって話し出す石井。
「大昔は結構な数がいたらしいけどな。段々と廃れていって、最近じゃ本物なのかもわからんようになってるんや。
ま、それだけやつらが大人しくなったか、減ったのか、いずれにせよ良いことやしれんけどもな」
 結局石井は別れるまで譜都と目を合わせなかった。
 譜都もあの話の後は一言も喋ることなく波原さんを送り届けてから、自分の家へ帰った。
 暗い自室のベットの上で譜都は色々なことを考えざる負えなかった。あれは何かの冗談だったとも考えたが、
 首の痛みとあの時見た波原さんの表情でその考えは否定するしかなかった。
 だったらこの先自分が取るべき行動は決まっている。
 一つの結論に達し、譜都は眠りに落ちて行った。

 屋上のドアを開けると、正面のフェンスに石井の後姿が在った。
「石井」
「なんや譜都。今日は女の子連れてないやん。そりゃそうか。こんな頭おかしい奴がいちゃ連れて来られないんか」
「おい」
「あっちの学校でもそうだったんや。わいの正体がみんなにばれたとたん、
みんな頭おかしいとか、狂ってるとか気味悪がって近づこうともしなくなった」
「聞けって」
「いいんや譜都。こんなことにはもう慣れたさかい。もうこっちもお前に話しかけんわ」
「業務提携だ!!」
「……は?」
 いままで空虚な思いで話していた石井もつい唖然とした表情で譜都を振り返る。
作品名:えすぱーと一般people! 作家名:yoshi