王立図書館蔵書
玉蘭がこれを読むころには、わたしはもう空の星のひとつとなっていることだろう。
今、わたしは城から少し離れたところにある小さな村の宿屋でこれを書いている。きっと明日の昼には城につくことができるはずだ。
わたしがこの手紙を書いているのは、こんなことを伝えたいためではない。君にどうしても伝えておきたい真実があったからだ。
君はひょっとしたらこのことでわたしを、またはそれ以外の誰かを恨んでいるかもしれないね。すべてを愛しすべてを憎まない人などこの世に誰一人と存在しないのはわかっている。でも、憎しみの心を抱くとしても、その前に知っておいてほしい真実があるんだ。
わたしは今からそれを語ろうと思う。
しかしわたしが真実を語る前に、見てほしいものがある。
ずいぶんとぼろぼろになってしまって判読不能のページも多かったが、できる限り書き写した。これがいったい何なのかは読んでみればわかるだろう。わたしがどのようにしてこれを入手したのかは後述することにする。