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お弁当と夜景と君。

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「晋作君、昼ご飯どうしようか。少し先にコンビニあると思ったけど・・・。」
直彦は助手席の竜樹のほうをむく。
すると晋作は、待ってましたと言わんばかりのドヤ顔をした。
「えへへ、実はお弁当作ったんだ。もちろん、作り方通りに作ったよ。ほら、あの萌えの・・・。」
「ああ、函の本の・・・。誰のお弁当作った?」
この間、函に借りていた本を消化しようとして読んでいたら晋作が興味深そうにその薄い本を
「借りる〜。」
といって持っていった記憶がある。
「うんとね、3番目の女の子。」
「(クーデレktkr!!)マジで〜、楽しみだな。」
直彦は心の中で小さくガッツポーズをした。
「すこ・・・かなりグチャグチャだけど・・。」
晋作は自信なさげに語尾を弱めた。
直彦は大丈夫でしょと笑いながら車をノロノロと進める。
延々と流れる交通情報から、車に積んであるCDへ切り替えた。

何十分か待っていると車が退けてきた。
そのまま走っていると警察のコーンが置いてあるのが見えた。
その先のガードレールが無残にも凹んでいるのが遠めでも分かる。
「うわ・・・すご・・。」
晋作はその現場を見ると、真也の方を向いた。
「事故らないようにしてよ・・、俺まだ死にたくない。」
「気をつけるさ〜。俺だって死にたくない。」
直彦はそう言うとハンドルを持ち直した。


1時間ほど車を走らせていると、広い公園が見えてきた。
直彦はそこの駐車場に車を止める。
晋作は勢いよく車外へ飛び出す。
そして、大きく背伸びをした。
直彦も少し遅れて車外へ出ると、同じく背伸びをする。
「風が気持ち良いね〜。」
「直彦さん、少し散歩道歩こう?」
そういうと、2人は散歩用の道を歩き始めた。
日曜日の午前中だが人通りは多くなく、ゆっくりと歩くことができる。
風も強くなくソヨソヨと吹いている。
すると、遠くの方から子供の笑い声が聞こえた。
のどかな時間が過ぎていく。
2,30分ほど歩くと車が止めてある場所に戻ってきた。
その時丁度12時を告げるチャイムがなり始める。
「直彦さん、お弁当食べましょう?」
晋作は直彦の手を取って、見つめる。
手袋越しで伝わる体温。
それになぜかドキドキしながら答えた。
「いいよ〜。でも、近くにベンチ無くない?どうすんべ。」
あたりをキョロキョロ見回す。
「え、車内でいくない?」
作品名:お弁当と夜景と君。 作家名:私は誰?