ファッション
面白い本は何冊かあったのですが、中でも面白かったのは、岩波新書の『吸血鬼伝承』という本です。伝統的な、民間伝承のなかの吸血鬼は、長身にイヴニングを纏った紳士風の男などではなく、経帷子を着た田舎の農夫なのだ、とその本には書いてありました。私たちがヴァンパイアと聞いて思い浮かべる黒マントのあの姿は、ブラム・ストーカーの創作で世に広まったものなのだそうです。そのストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』にしても、私が今まで漠然と抱いていたドラキュラ伯爵のイメージとは随分違って驚きました。だって、お城に閉じこめたジョナサン・ハーカーのために大忙しでごちそうを作ったり、頭を下にして城壁を這いおりたり、口が生臭かったり(! でも、食生活を考えたら当然ですね)するんですよ。私は結構夢が壊れました。
私が思うヴァンパイアは、赤い瞳をしていて、長身で声のいい銀髪の美形です。で、アリスアウアアを着こなしている。
……と言ったら、軽薄だと笑われるのでしょうね。
ヴァンパイアにも流行(ファッション)はあるのでしょうか。
こういうことをもっと勉強するために、私は現在、海外留学を計画中です。
私は随分前から心療内科にかかっているのですが、そこのカウンセラーの先生に、アメリカの大学で文学を教えておられるA教授をご紹介頂きまして、その先生について勉強できれば、と思っております。メールでは何度かやりとりしていますが、かなりユニークな方のようです。吸血鬼に関する本も、A先生に教えてもらいました。……もう少し早く先生と出会えていれば、もっと良かったのですが……
いつかこの春に私が見聞きした全てのことを書きたいと思っています。
何年、何十年先になるかわからないけれど、遠くへ逝ってしまったあなたのために、必ず書くよ、未遠。
約束する。