variable―ヴァリアブル― 1
ふと壁を見ると、また紙が貼ってあった。
『 ご案内
部屋の中央にある<ヴァリアブル>に触れ認証を完了してください 』
とりあえずあの球体が<ヴァリアブル>だということと
触ればいいということは理解できた。
しかし、得体の知れないものに触れるのはいささか抵抗がある。
いきなり高圧電流が流れたり、すごく熱かったり、爆発したり、
すごいべとべとだったりと不安がよぎる。
「まあ、他に方法もないし・・・」
僕は勇気を出して球に触れた。
「・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
何も起きないな・・・」
脱力しかけたそのとき、不意に頭の中に声が響いた。
「認証完了。
ただいまから第2適性試験へ移行します」
作品名:variable―ヴァリアブル― 1 作家名:ファーストウッド