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ファーストウッド
ファーストウッド
novelistID. 9116
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variable―ヴァリアブル― 1

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ユリが部屋を出てからおよそ10分、いまだ戻ってくる気配が無い。
僕は待ち時間を利用してヴァリアブルを調べていた。
いつの間にかアクセルセイバーから球状態へと戻っていたが、
この球はどういう物質か、どういう仕組みなのか、
そういったことを主にして調べてみたが、結局何も分からずにいた。
唯一理解できたことといえば、この球は大きさの割には非常に軽い事くらいである。
 「それにしても、遅いなぁ。見に行った方がいいのかな?」
そんなことを意識していると、ふと扉が開く音がした。
ユリが戻ってきたのだと思いそちらを向くと、
ユリではない別の少女が立っていた。
髪はロングで、金色に近い色をしている。
少しきつそうな雰囲気があり、ユリと同じく制服を着ていた。
 「あら?ここは関係者以外立ち入り禁止よ。
  表の札が見えなかったのかしら?」
 「すいません。
  ユリエラさんにここで待っているようにと言われたのでここにいたんですけど」
 「ユリが?もう、あの子ったら何考えてるのかしら。
  学園の生徒じゃない人をここに呼ぶなんて」
 「すいません。ご迷惑でしたら出ていきます」
 「いいわよ、ユリが来るまで追い出すのは待ってあげるから」
 「ありがとうございます」
少女は教卓の前まで行くと壁に立てかけてあったパイプ椅子を開き腰をかけた。
おそらくあそこが彼女の指定席なのだろう。
 「ところであなた、その手に持っている白い球はなんなのかしら?」
 「あーえーっと、何と言いますか、説明すると長くなるんですが・・・」
 「そう。それなら別にいいわ」
少女はあっさりとそう言い、手荷物からファイルを取り出した。
 「はあ、それならいいですが・・・」
               *
彼女はそれからずっとファイルを眺めるだけである。
ふと、携帯の着信音のような音が響いた。
音源は少女のかばんの中にあった携帯電話らしきものだった。
 「ユリね。どういうことよ部外者を作戦室に置いてどこかに行くなんて、
  え?今どこにいるかって?作戦室よ作戦室!いいから早く来なさい。いいわね」
おそらくユリと電話をしていたのだろう。
通話を終えると、すぐに電話をしまいまたファイルを眺めだした。
なんだか怒っているようだ。おそらく原因は僕がここにいることだろう。
 「そこのあなた。ユリが来たらしっかり話を聞かせてもらいますからね」
 「はい・・・」