The SevenDays-War(緑)
北門の門兵長代理を三年間務めると、小隊長になれる。
任期を終えたアーノルドは、南の街道沿いを巡回警護する小隊を任されることとなり、約束通り小隊長となった。
それから人攫いの一団を検挙したり、無謀な狩りに出た貴族の息子を救出したりといった手柄を立て、中隊長となったのだ。
「これをどこで手に入れた?」
「預かり物だよ」
詰め所に戻ったアーノルドは、通行証を持っていた男に詰め寄っていた。
男の名はイークウッド。エルセントの南門付近に店を構えている薬師の弟子であることは既に話している。
「誰からの?」
「……」
イークウッドは言い淀む。
「口止めされているのか。いわく付きの代物だから当然だな。私はアーノルド。この通行証は私が発行したものだ」
「あんたがアーノルド……?」
アーノルドは一度だけ頷く。
「もう一度聞く、どこで手に入れた?」
「女だ。森で迷って死に掛けてた俺を助けてくれた女が持ってた。ユーノと言ってた」
「ユーノ……ユノフィアか」
「それを渡してくれと頼まれた。本人以外には誰にも言うなって」
「なるほど。では、そのように口外無用で頼む。服が乾いたらエルセントまで送らせよう」
* * *
作品名:The SevenDays-War(緑) 作家名:村崎右近