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The SevenDays-War(緑)

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 アーノルドは、二個小隊を率いて南街道にある宿場町を訪れた。そこは、王都エルセントから数えて二つ目となるの宿場町だ。
 宿場町の中心を走る街道からほんの少し外れた裏手に、巨大なテントが張られている。アーノルドが目指しているのはそこだった。

「お役人様、蛮族を労働力として売買しても、一切罪には問われないはずですが? 何か問題でもありましょうや?」
 奴隷商人はぬけぬけと己の正当性を主張する。
「いや、それは問題ない。刑法に罰則が定められていないからな」
「ではお引取り願えますか?」
 浮かび上がる作り笑い。
 その裏に勝ち誇りアーノルドを見下す色が見え隠れしている。
「そうもいかん。労働力として売買していると言ったな? つまり、そこの蛮族は商品なわけだ。商品を売る商店ならば、商売をすると届けを出し、税を納めねばならん。無届けの商売は罰則金及び、脱税による追徴が科せられる」
「何かの手違いで申請を忘れていたようです。すぐに申請をいたします」
 奴隷商人は、にこやかな作り笑いと共に布袋を差し出した。
「贈賄は重罪だぞ」
 アーノルドの一声で奴隷商人の動きが止まる。
「申請が行われるまで、これらの商品は預からせてもらう」
「それは困る!」
「ならば、牢獄行きだが?」
「ぐっ……!」
 舌先三寸で言い包め、アーノルドは奴隷商人に捕まっていた蛮族の男二人を詰め所に連れ帰ることに成功した。
「連れて来たはいいが、言葉が通じないのでは……」
 すでに蛮族たちの身体に付けられていた拘束具は外されている。
「いいところに帰って来てくだされた」
 アーノルドを出迎えた事務官は、詰め所内の一室へと急ぎ誘う。
「おい、あいつらはどうするのだ?」
 アーノルドは檻馬車に乗せられたままの蛮族たちの処遇を訊ねたのだ。
「ご心配なく、抜かりはありません。それよりも、こちらに」
 到着した部屋には、縄を打たれた三人の男が床に座っていた。
「こいつらは?」
「ここ数日の間に村に住むようになった者を調べていて、怪しい動きを見せたのです。捜査妨害という名目で連行しています」
 互いにボソボソと耳打つ。
「おまえら、何者だ? 農夫じゃないのは目を見ればわかる」
「我らは特命騎士。さる御仁の命によって行動中だ」
 男は憮然と言い放つ。
作品名:The SevenDays-War(緑) 作家名:村崎右近