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戦え☆僕らのヒーロー!

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何度も言うのは本当は恥ずかしいんだけど、僕は彼女いない歴=今の年齢、な人間であって、そのテのことにはこの年にしちゃ疎いと思う。
とはいえ、僕だって健全な青少年の一人でありまして、目を覚ましたらそこにはそこそこ可愛い彼女の寝顔なんてものがあればきっとドキリとしちゃうんだと思う。

だからさ、余計にこれは虚しい。

目を覚ますとそこには半裸状態の超絶美形の男の寝顔がありました。


「赤井、さん。」
心の中ではよく呼び捨てにするけど、現実では未だに「さん」を付けてしまう。
向こうのが2つ年上っていうせいもあるんだけど、赤井は他の先輩方にもガッチリタメ口で話してるんだから、僕も内心こんな奴に敬語は必要ないと考えてはいる。
「何で此処に居るんですか?自分の部屋で寝てください。」
揺り動かしても、ほとんど反応が無い。
熟睡状態だ。

こんなことは一度や二度ではない。
僕の部屋に夕飯を食べに来て、風呂に入ってそのまま寝てしまうのだ。
疲れているのはわかるけど、僕だって疲れてるんだから一人でゆっくりしたいのに、最近じゃそれもままならない。

「ったく…。」
僕は悪態をつきながら、今日は燃えるゴミの日だったな、とゴミ袋にゴミを集め始めた。

ゴミ捨てに外へ行くのに、適当に顔を洗い、眼鏡を何処へ置いたっけと探していると、
「コレ探してんのか?」
と、いつのまにか赤井が僕の眼鏡を持って起きていた。
「あ、そうです。すいません。」
返してくれるもんだと思って手を出すと、赤井は僕に眼鏡を返さずに顔を近づけてきた。
「…なんですか?」
「・・・お前眼鏡無くても見えてるんじゃねぇの?」

痛いところを突かれた、と思った。

「オシャレ用の眼鏡ですから。」
僕の淡々とした声に赤井が苦笑する。
「この眼鏡がお洒落ってそれはねぇだろ?」
煩いな、僕もそう思うよ。

「いいから、返して下さい。」
僕の不機嫌を察知したのか、赤井は今度は素直に眼鏡を渡してくれた。

眼鏡をかけて、ゴミを捨てようとドアを開けると、ちょうど白石先輩もゴミを捨てるため僕の部屋の前を通ろうとしていたところだった。
「おや、おはよう。今日は早いね。」
「おはようございます。」
いつもの3割増しに輝く笑顔の白石先輩に、僕は俯き加減に挨拶をした。
「すぐそこのゴミ捨て場までだけど、一緒に行かないかい?」
「あ、はい。」
特に断る理由も無いので頷いてゴミ袋を持って先輩の横を歩いた。

と、その瞬間。

「おい優一、このゴミ箱ん中捨て忘れてるぞ!」

と、あろうことか、赤井が半裸のまま僕の部屋から飛び出してきた。

「…昨日、信司くんは優一くんの部屋に泊ったのかい?」
白石先輩にそう言われ、僕は返答に困った。
こないだの騒動で何故か僕と赤井がそういう関係なんじゃないかと、疑われたからだ。
「まぁ、はい。」
とはいえ、昨日赤井が結果的に僕の部屋に泊ったのは事実だったので曖昧な返答になってしまった。
「・・・そうか。」

白石先輩は真剣な顔で何かを考えている。
嫌な予感がする。そして此処最近の僕の嫌な予感は怖いほど当たっている。
「ちゃんと、優しくして貰えたかい?」
にっこりと、いつもと変わらない爽やかな笑みで、こんなに晴れ渡った気持ちの良い朝に言う発言ではないことをサラリと言いきった。
「何言ってんすか?俺はいつでも優一に優しいっすよ?」
白石先輩の発言に固まる僕をしり目に、僕たちを追ってきた赤井が返答した。

「…僕が言いたいのはそういうことじゃないんだよ、ふふ、やだな、わかってるよね?」
「さぁ…何のことっすか?」
爽やかな笑みを浮かべた白石先輩に対して、赤井も挑発的に笑みを浮かべる。
僕はノロノロとゴミを捨てるためその場を抜け出した。