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戦え☆僕らのヒーロー!

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入ってきた男は、先輩たちに負けず劣らず格好いい男だった。

「ふーん、あんたらが俺の手駒だな?あ、俺は赤井 信司、18歳。よろしくな!」

ふふん、と不敵な笑みとともに僕たちを見るその男の第一印象は『俺様』だ。
「なんでも俺が居ないせいで敵が出ても出動出来なかったとか?可哀想だな、モブキャラってのは。」
馬鹿にしたように笑う赤井という男に嫌な感じがしたのは僕だけじゃない。
青山先輩が冷たい目をいつもの数倍冷たくして、すっと手を上げた。
ボスがそれに気づく。
「ドーシマシタ?アオヤマクン?」

青山先輩はまたノンフレームの眼鏡をくいっと上げ、大きくは無いがはっきりとした声色で言った。


「チェンジで。」


・・・そんな、ソープ嬢じゃあるまいし・・・。
僕の心のつっこみはさておき、「チェンジ」と言われた方の赤井はカチンと来たらしい。
「はぁ?何いってんの?お前誰だよ?」
「…青山 佐助、23歳。・・・ブルーだ。」
「うげ、お前みてーなインテリ眼鏡がブルーかよ。へどが出るな。」
赤井はだいぶ口が悪い男だった。
青山先輩の額にピキリと青筋が入る。そんな二人を宥める様に白石先輩が自己紹介した。

「あ、俺は白石 亮哉、佐助くんと同じ23歳。ホワイトだよ、よろしく。」
「…普通ホワイトって女じゃねぇの?男でホワイトっておかしくね?」
赤井の毒舌は止まらない。白石先輩は苦笑した。

「俺はね、黄河 大輝ー。20歳。イエロー。」
「ふぅん。」
赤井は黄河先輩の挨拶に適当に答えて、じっと僕を見た。
僕も挨拶くらいしなきゃと、口を開きかけると僕が発するよりも先に赤井が驚いたように声を上げた。
「うわ、何お前すげぇ不細工。」
「・・・。」
思わず言葉を失う。不細工なのは本当だけど、面と向かって言われたのは初めてだ。
「お前もメンバーなわけ?ウソだろ?チビだし痩せっぽちだし…何で此処に居んの?」
僕は俯いてボソボソと自己紹介をした。
「…黒須 優一、16歳。ブラックです。」

「はぁあああああ!!??」

赤井が驚いたように叫ぶ。

「ブラックってあれじゃねぇの、ミステリアスで一匹オオカミ的なのじゃねーのかよ!!お前みたいな冴えないのがブラック!?よりによってブラック!?」

「話と違うじゃねぇか、ボスさんよぉ!こんなサイテーメンバーで何が出来るってんだ?」
「チガイマース!」
赤井が文句を言うと、それまで黙って成り行きを見ていたボスが大声で叫んだ。
「ココニイルノハ、ワタシガアツメタ、サイコーデサイキョーナメンバーデース!」
鼻息荒くボスが言い、一瞬赤井が怯む。
「っ…これで全員か?」
「チガイマース!タイセツナコウイッテンヲワスレテマース。」

そうだ、もう一人桃の人が居るんだった。
赤井の出没で僕もすっかり忘れていた。

「トテモカワイラシク、オンナラシイ・・・デモショクバレンアイハキンシネ?」
茶目っ気たっぷりにボスが言い、手を上げた。
ちょうど赤井が入ってきた向かい側にあるドアに僕たちは視線を向けた。
ドアが開いた。

ふわりとミディアムな茶色の髪が揺れ、口元には優しい笑みを浮かべて、



・・・とてもガタイの良い男が入ってきた。

僕と赤井だけが目を見開く。他の先輩たちはすでに会っていたみたいだ。

「ハァイ、わたし桃川 拡、です。良かったらヒロミってよんでね?皆さんに会えて嬉しいわーv皆、イイ男ばっかだし!うふっ。」




「おかまかよっっっ!!!」

赤井の言葉が研究室に響いた。そして、その瞬間僕も全く同じつっこみを心の中でいれていた。