魔導装甲アレン3-逆襲の紅き煌帝-
「たぶんわたしが乗ってきたものだと思います。攻撃を受けて墜落してしまって」
「嗚呼、なんてことを……実はその攻撃をしたのは、この街を守る自動防御システムなのです」
「だいじょぶです、わたし怪我とかしてませんから。怨んだり怒ったりもしてませんよ!」
マルコシアスは頭を垂らして、ひどく落ち込んでいるようすに見える。
セレンのほうが慌ててしまう。
「だいじょぶですから、本当にだいじょぶですから、ぜんぜん気にしてませんから!」
「お気遣いかたじけない。ところで、なぜこの場所に来られたのですか?」
「それは偶然……」
本当に偶然だったのだろうか?
墜落したのは偶然だったかもしれないが、この場所に飛んできたのは、偶然ではなかったかもしれない。自動操縦にセットしたのはライザだ。ならば、ライザはこの第零メカトピアの存在を知っていたのか?
マルコシアスは狼の顔だが、凜と表情をさせたように見えた。
「偶然だとしても、レヴァナ様の娘であるセレン様が居られるだけで我々は心強い。地上でアダムとの戦争が起きていることを我々は知っています。そして、第零メカトピアの住人は、アダムと戦う決意していたところなのです」
「もしかして、これが役に立つじゃないですか!」
セレンはポケットからある物を取り出して見せた。
驚きで眼を剥くマルコシアス。
「まさか……それは〈生命の実〉ではッ!?」
作品名:魔導装甲アレン3-逆襲の紅き煌帝- 作家名:秋月あきら(秋月瑛)