サヨナラ、ママ。
#05 高校2年生の秋。
高校2年生の秋。
中学〜高校と6年制の学校に通っていた学校での
学生6学年、全てで行なわれる恒例のバレーボール大会。
高校生チームは1〜3年×4組での決戦。
身長153センチ。どう見てもへなちょこ風情な私。
が! 小学生の頃、バレーボール部にいたことと
意外と運動神経が良くもあり、
実はサーブがめちゃくちゃ得意だったりもした。
相手側から見たら、へなちょこ風情の女子からの
まさかのイナズマ?サーブに、呆気にとられ
そのままサーブのみで1試合終了してしまうくらいの始末。
もちろんサーブだけではなく、なんだかんだで、
なぜか私達のチームは、おなじく勝ち上がってきた
高校3年生チームと決勝戦をするまでになった。
決勝の日。
体育館の1Fも2Fも応援の生徒たちで満杯状態。
もうその頃には、私へのへなちょこ風情はすっかり消えて
「あのコのサーブは強い」
と定着してしまっていた。
試合は押したり引いたりの接戦状態。
サーブが私の番になると
「あ! 大丈夫だね♪」
とあちこちから聞こえる。
観衆も大賑わいで、私がサーブをする度に
「〜そ〜れっ」
と声をかけてくれる。
....入るわけないじゃん。
「透明人間」の私に声をかけてくれるなんて。
もうそれだけで、心臓がバグバグした。
....入るわけないじゃん。
サーブは全てネットにあたり、1本も入らなかった。
「あ〜あ〜。。。。」
とその度に、体育館中から息がもれる。
「あ〜あ〜。。。。」
「ドウカ ワタシナンテ イナイ ト オモッテ」。