Awtew.2 (e-r) 1
「教えてあげる。歩香はここ一週間――」
怖い、知りたい、怖い、知りたい、怖い知りたい怖い知りたい怖い知りたい怖い知りたい怖い知りたい怖い知りたい怖い知りたい――
まだ、逃げる気か、西倉夕……ッ!
僕は、震える体、蛆が走るような嫌悪感を抑え、その場に何とか立つ。そして、聞いた。
「あなたの絵を、描き続けているのよ」
寺島さんの真摯な目が、知ることに怯える僕の瞳に映る。
「手が痛みを訴えても、手首が赤く腫れても、一日中描いて、疲れて寝る。そんな生活を、一週間」
異常、そうとしか言えない。でも、その意味は、恐らく――
僕の全てが、壊れ、再構築される。
会いたい。
その言葉だけが、理性を支配し、理性はそれに応じ、抑止していた足を解き放つ。
抱きしめたい。
その意味を、確かめたい。
知りたい……ッ!
僕は、歩香の病室へと、走っていた。
「一週間、覚えられてて、幸せな子ね」
後ろから寺島さんのそんな声が聞こえた。
作品名:Awtew.2 (e-r) 1 作家名:犬ガオ