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年越し!

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2人で仲良く台所に立って蕎麦を茹でる。晋作はカフェエプロンをしているので何故か可愛く感じる。
直彦は横を見て、和やかな気持ちになっていた。エプロンは誰でも萌えるものだが、愛しい人なのでさらに萌える。
少し見蕩れていると、鍋が不穏な音を立てたので直彦はあわてて火を消して蕎麦を笊に移し変えた。
「直彦さん、だし汁こんな感じでいいよね?」
そうおずおずと、もう一つの小さい鍋の中身を見せた。
其処には美味しそうな色をしただし汁があった。
取りあえず、見た目は大丈夫そうなので、直彦は
「大丈夫でしょ。じゃあ食べようか。」
そういって、蕎麦をテレビの前の炬燵へ運んでいった。
蕎麦は美味しかった。
いつもなら何故かと何処かで失敗しているのか分らないほど不味いものに変わってしまうが、今回はとても美味しい物になった。
「晋作君、美味しいね。初めてじゃね?」
「そうだな・・・。こんな旨く作れたのは初めてのような気が・・・。」
よかったね〜と笑い会っていると、晋作の携帯がメールの着信を知らせた。
「あ、松平さんからだ。年越し蕎麦の送ってきた。こっちだって自慢するし。」
そういって、2人の丼を携帯のカメラに収めると女子高生涙目の速さでメールを打ち始めた。
その時間1分。
あっという間に送信し終えると、またニコニコと蕎麦を食べ始めた。
その間も、さっき見ていたガキつかの話題やら化物語の話題やらで盛り上がる。
ワイワイと喋っていると、いつの間にか時間が11:30を示していた。
「あと、今年も30分か〜。早いね、これも年を取ったからそう感じるだけかw。」
「はははは、そうかもしれないよ。」
直彦は笑いながら、丼を台所で洗い終わると冷えた手を擦りながら戻ってくる。
晋作はすぐに直彦の隣に座ると、その両手を包み込むようにして手を握る。
「うわっ、直彦さんめっちゃ冷たい。何か・・・ありがとうございます。」
「いいよぉ、別に。今年もありがとうね。来年もよろしくね。」
にこやかに直彦が笑いかけると、晋作もさらに笑う。
そうしたら、急に直彦がさらに近づいてきた。睫が重なるような気がした。
が、唇にやわらかい感触を感じた。
すぐに離れる。
目の前には、笑顔な晋作がいる。
「今年1年の感謝のキスです。1年ありがとうございました。」
その言葉に少し照れているのか顔が赤くなっている。

作品名:年越し! 作家名:私は誰?