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漆黒のヴァルキュリア

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第一章 戦乙女とお供のカラス 3



 ……ごめええぇぇぇ〜ん、黒騎士。失敗しちったぁ!

 いや、言っとくけど、オレの落ち度じゃねぇんだぜっ?
 邪魔が入ったんだよ、邪魔がぁ!
 パトカーがさぁ、もうちょっとで目標を轢くって時に!
 そうそう、妙音天女ってヤツだよ。ソイツがさ? 出てきやがったのさ!

 あ〜もぅ! むっ! かっ! つっ! くっ! なああああぁぁぁぁっ!

 だけど、なんだろね〜……アイツ、なんか言ってやがったぞ?
 日本の神の領域を荒らす者はなんたらかんたら……って。
 よーするにアレか? シマ荒らされて、気に入らなかった、と。そーいうコトか?

 確かにな〜……たまにあるんだよね。中南米とかさ、キッツいんだぜぇ? ケツァルコアトルとか、テスカポリトカとか――忘れられた古い神々がさ、躍起んなって信仰集めようとするワケだよ。そんな中で、エインヘルヤルの候補なんか探してみ? そっこら中からワラワラ湧いた神々に、ボコにされるから。
 あ〜あ、この国は平和そうだから、そんなのないかと思ってたんだけどな〜……

 まぁいいや。次邪魔しに来たら、反撃してもいいよな?
 だってオレ、一回はガマンしたからさ。次からは正当防衛、ってコトで。

 それにしても……あ、話変わるんだけどさ。ここっていい国だよな。なんかオレ、気に入っちゃった。
 なんて言うの? こう、初めてじゃないって感じ。空気とか、雰囲気とか、なんか、のすたるじー? っての感じるんだよね〜。
 ここに派遣されるって決まった時、仲間のヴァルキュリア達が羨ましがってたの分かる気がする。うんうん。

 なぁ黒騎士。この仕事終わったらさ、すぐヴァルホルに帰ったりしないで、少し遊んでかないか? もちろん、あんた案内役な。
 オレとデぇトしようぜ、デぇト。どうだい? なかなかないぜぇ〜? こんなキャーイイ女の子とデート出来る機会なんて♪
 あははっ、なんてなっ!

 じゃ、そろそろ次のエモノ探しに行くよ。じゃあな!