漆黒のヴァルキュリア
第四章 女神達の黄昏 10
大丈夫? 響七郎……
響七郎、気絶しちゃったから……
ムニンとフギンに力借りて、今こうしてボクの言葉を伝えてもらってるんだ。
ありがとね。響七郎。
助けに来てくれて、ボクとっても嬉しかった。
でも、まさか黒騎士さんが響七郎だったなんてね。ボク、すっかり騙されちゃったよ。
あのね? 響七郎……ボク、ずっと響七郎のこと見守ってたんだよ?
でも……もう、そんな必要ないみたいだね。
響七郎、すごく立派になった。
あの、ボクの周りではしゃいでた頃とは、もう違うんだよね。
で、その……
響七郎、昔ボクに言った事、憶えてる?
……って、いっぱいありすぎて、どれの事言ってるのか分かんないよね!
いいんだ、今の忘れて!
じゃあ響七郎、起きたらヴァルホルに帰ろう?
ボク……っていうか、エナも、しばらくは仕事ないハズだからさ。
昔話とかしようよ。
ボクが知らない、大人になった響七郎の話も聞きたいしね。
じゃあ、目が覚めるまで……
オヤスミ。
作品名:漆黒のヴァルキュリア 作家名:山下しんか