漆黒のヴァルキュリア
第二章 恵那の面影 6
えっと――黒騎士?
春日恵那って、誰?
いや、誓って言うケドよ、誤魔化したりとか、しらばっくれてるワケじゃないぜ?
ホントに分かんないんだよ。
あー、そーゆー事か?
恵那ってコが、黒騎士の昔の恋人だったり?
それなら尚更知らないって。
オレ、この国来んの初めてだもん。
でも、なんかちょっと、オレも興味あるぞ? 黒騎士の彼女……
そのコもフルプレートアーマーに、フルフェイスヘルム着けてたりして。しかもピンクの。ぷぷっ!
お似合いじゃ〜〜〜ん!
あー、ゴメンゴメン、ちょっとしたオチャメなジョークだよ〜〜。
まぁ、信じてもらうしかないけどさ。オレはウソは言わないさ。知らないものは知らない。ゴメンな?
あ、そうそう、次の候補さ、まだ見っけてないんだけど、面白い場所見つけたよ。
え〜と……なんか、マーケットってーから、市場? みたいなもんだと思うんだけどさ。
ツクダニ? にできるくらい、やたらと人が入っててね〜。
色んな情念入り乱れて、混沌としてるんだよ。
間違いない。アレは戦場だ。
ってワケで! 戦場には必ず勇者がいる!
っつーコトだから、ちょっくら見てくるぜ。
じゃあ、またなっ!
作品名:漆黒のヴァルキュリア 作家名:山下しんか