ボクのプレシャスブルー
「良くないよ。もし転んだらって思いながら、ビデオ撮り続けた私の気持ちにもなってよ」
「さくらちゃん、ホントゴメン!」
涙目で怒り続けるさくらに、純輝は手を合わせて謝る。
「謝るのは私にじゃないでしょ!」
さくらにぴしゃりとそう言われて、純輝は首をすくめながら、
「よしりん、ゴメン」
と小さくつぶやいた。
「良いよ、こっちこそありがとう。久しぶりに走れて気分爽快だった」
私は笑顔でそう返した。走ると言う動詞が当てはまるかどうかも確かではないくらいの走りだが、久々に全力を出し切って「走る」ことが出来たのは本当に爽快だった。
作品名:ボクのプレシャスブルー 作家名:神山 備