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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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わが家の怪

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─九─ 《イケメン》




 これまたいつの間にかわが家にやってくるようになった存在。

 今は来なくなったが、数年前まで、夜8時頃になると玄関から入ってきていた。

 最初はなにやら得体の知れない気が玄関の方からしてきて、誰かが来たのかと思っていってみるが誰もいない。
 もどって見ると、部屋の中にいるのだ。
 そして、わたしが台所に立つと左側にぴったりと寄ってくる。

「少し、離れてくれる?」

 と言うと、ちゃんということを聞いて、ちょっと後ろに下がってくれるけれど、何がしたいのかさっぱりわからない。
 (とはいえ、たたられるのも困るけど)
 彼は若い男で、きちんとスーツを着てネクタイを締めている。なかなかのイケメンだ。

 このイケメンくんには、次男のガールフレンドのAちゃんも遭遇している。

 ある時、Aちゃんは次男に頼まれて、忘れ物を部屋に取りに来た。
 その時家には誰もいなかったが、Aちゃんは一声かけて2階に上がり、頼まれたモノを持って降りてきた。
 そして帰る時にも「おじゃましました」と言って何気なく台所の方を見たのだそうだ。
 すると、スーツ姿のイケメンのお兄さんが、笑いながら手を振っていたという。

 台所が好きな、スーツを着た幽霊というのも、なんだかねぇ……。




作品名:わが家の怪 作家名:せき あゆみ