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隠れて恋人関係

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翌日、学校の昼休み。
「よお、メシ食おうぜ」
俺は彼女に言われたとおり、付き合う以前の雰囲気をイメージしつつ声をかける。なかなかのさり気なさ、やればできるものだ。しかし、彼女の方は「う、うん!一緒に食べよっか!」
声がでかいし、顔も赤くしてるし、目が潤みすぎで昔の少女マンガみたいな顔をしてる。はっきりいって、友達な接し方が出来ていない。
(お、おい!声がでけぇって!)
小声とジェスチャーで注意を促す。それに気づいて「あっ」と口を開けた後、咳払いでごまかす。
『……そうね、それじゃあ食べよっか』
彼女は澄ました顔に徹するようにした。……ほんとに大丈夫かよ。

「ああ、んじゃ、俺はパン買ってくるから待っててくれ」
「あ、それなんだけど」
「ん?」
「はい、お弁当作ってあげたから」
「………」
俺、呆然である。それとなくまわりに視線を向けると、数名の生徒が俺に差し出された弁当を凝視している。
「……なに?どうしたの?」
彼女は視線に気づいていない。なんで周りの空気には鈍感なんだろう。
作品名:隠れて恋人関係 作家名:ヨミメル