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グリーンオイルストーリー空の少年たち3

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ロブは内容の把握をした。
ジリアンの話を聴いたのはロブだけでなかった。
ジリアンの泣き叫ぶ声でドックのクルーたちが何事かと数人集まっていた。
「つまり、あれだな。最近、あっちのリゾート地で騙されて働かされている連中がそこを抜け出して、こっちの方で窃盗を働いている話を耳にしたが、そういう連中が襲ったっていうわけだな。」
「こっちでの顔見知りは、レインたちを狙ったりしないからな。」
「ドックの連中が黙ってないっていうのはわかっているからな。」
「自警団がもめてて、見回りができてないって話は本当だったんだな。」
口々に言いたいことを話す連中を背中越しに、ロブはジリアンに言った。
「ジリアン、お前に怪我ないよな。」
「うん、大丈夫。」
ジリアンから両手を離し、腕組みをしてロブはジリアンを見下ろして言った。
「流れの早い川を渡れないのは、体を鍛えていないからだ。ジリアン。」
ジリアンは深くうなづいた。
「常日頃から、練習してたら、体を鍛えないといけないって理解できるだろうって思ってた。」
ロブはジリアンの頭の上に右手を載せた。
「ジリアン、これからは練習をサボるな。体も鍛えるんだ。」
「うん」
「なにも俺は、お前たちに強制とかさせるつもりはないんだ。ジリアンにできること、レインにできることを、その力を伸ばし、お互いを助け合って、このドックを守れる人間になってほしいだけなんだ。」
「わかってるよ、兄さん。」
「レインは遊び半分でやってるみたいだが、お前を守ることができたことは体を鍛えてきた効果が出ている。」
カスターが吹き抜けのフロアにでてきて、叫んだ。
「ロブ、テントウムシの用意が出来たよ。第二デッキだ。」
ロブは、キャスに合図を送った。
「キャス、ジリアンのことを頼む。」
「ラジャー」
集まった男たちは、元いた場所にもどりはじめた。
ジリアンは、その場から離れようとするロブの腕を取った。
「兄さん、レイニーは遊んでるつもりはないんだ。一緒に練習をやっちゃいけないの?」
「レインが整備できるようにならないと、二人だけで空を飛んだときにトラブルを起こしたらどうするんだ。」
困った顔をするジリアンに、戻ってきたカスターが後ろにたち、両手を肩に添えた。
「分担して、持ち場を守る。これが鉄則だ。クルーっていうのはチームワークだ。」
「僕が整備できるようになったらだめなのかな。」