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グリーンオイルストーリー空の少年たち3

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レインがジリアンを心配して、駆け足でその場所にやってきた。
レインは大丈夫そうだったが、袖をまくりあげた右腕は腫れ上がり、顔にかすり傷があった。
ジリアンは、鼻水を垂らし、引きつって泣いていると、過呼吸に陥った。
「すぅはっはっ。すぅはっはっ。すぅはっはっ。すぅはっはっ。」
ロブはジリアンにかけより、両肩を両手で押さえる。
「ジリアン、しっかりしろ、俺の目を見ろ。ゆっくり呼吸をするんだ。」
「すぅはっはっ。すぅはっはっ。すぅはっはっ。すぅはっはっ。」
息をするのに必死なジリアン。
心配そうに眺めるレイン。
レインの腕をとるキャス。
「レインの腕の骨、折れてるかもしれない。」
そこへ食堂から、ジゼルがかけつけた。
「いったい、どうしたっていうの。」
「ジゼル、そばに来るな。離れていろ。」
そういわれて、ジリアンが過呼吸になっている姿を認識して、あとずさりしたジゼル。
「ああ、ごめん。」
ロブはジリアンを抱きしめた。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」
目を見開いて、ロブをみることが出来なかったジリアン。
「ジリアン、僕は大丈夫だから!大丈夫なんだよ!」
ジリアンを落ち着かせるため、レインは大声を張り上げた。
ロブはジリアンを強く出しきしめると、片手で背中をさすった。
「よしよし、ジリアン。もう大丈夫なんだ、心配することはなにもないんだよ。」
そういって、もう片方の手で頭をなでた。
ジリアンの過呼吸がおさまりはじめた。
ロブはキャスに向かっていった。
「キャス、テントウムシを出してくれ。レインをタイディン診療所に連れて行く。」
「わかった。で、レインはこのままか。」
ロブはジリアンの顔を自分の胸にうずくませると、振り返って、ジゼルに言った。
「ジゼル、すまない。レインの右腕をなにかで固定してやってくれないか。」
「わかったわ、ロブ。レイン、いらっしゃい。」
ジゼルはレインを手招きして、食堂へ連れて行った。
過呼吸が止まったジリアンだったが、泣くのは止まらなかった。
ジリアンには、精神的ダメージをうけたトラウマがあったのだった。

ロブは、ジリアンの両肩を強く握って自分から引き離した。
「ジリアン、俺の目を見るんだ。何があったか、話せるか。」
泣き止んだジリアンは、深くうなづいた。
冷静になったジリアンはつぶさに詳細を話した。