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グリーンオイルストーリー空の少年たち3

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「言っただろ。お前には度胸がある。咄嗟の判断は冷静だ。レインにはできない、いや、できていないだな。出来るようになるまでには時間がかかるし、その前に整備できるように技術を身につけるほうが先だ。」
「そうだね。」
残念そうに言うジリアンはリュックを手に取り、自分の部屋に行こうとする。
「ジリアン、お前は航空術がある程度身についているが、それ以上に技術を頭に入れ込むのは今、しないほうがいいだろう。」
「うん、わかったよ。役割分担なんだね。これから、練習をこなしていくよ。」
カスターはジリアンの肩を抱いて、連れて行った。
その後姿をしばらく見つめて、ロブはつぶやいた。
「やけに、ものわかりがいいな。」

テントウムシとは、エアバイクのデカイ機体という感じで、半円形上の姿形で空を飛ぶ様子から、「テントウムシ」と呼ばれていた。
手当てを受けたレインは、テントウムシの助手席に乗るのをジゼルに手伝ってもらっていた。
「無茶するところ、マネしなくてもいいのに。」
「マネするつもりはなかったよ。ジリアンをつれて逃げるのが精一杯だったんだ。」
「無理してオホス川を渡らなくても、街にもどればいいのよ。」
「そこまで考えることができなかったんだ。戻れば、あいつらが追いかけてくると思ったんだ。」
「川を渡るのが無茶することなのよ。いくら、逃げ切るためでも。」
ヘルメットをかぶりながらロブは、二人の会話を聞いていた。
「咄嗟の判断が冷静にできないところは、マネじゃないよな。」
「ロブ、いつからいてたの?」
レインがふてくされているのをみながら、ジゼルはレインにヘルメットをかぶらせた。
「ジリアンに怪我がなかったのは、レインがちゃんと守ったからでしょ。」
「ジリアンより体ができているというか成長しているレインだから、守ることができた。」
「ロブ。そういうことじゃなくて。」
「ジリアンに、約束させた。これから練習はサボらないことをね。レインが兄としてジリアンを守るのは当然だ。そうだろう。」
「それは、そうだけど。」
「いいよ。ありがとう、ジゼル。もう遅いから、部屋にもどってて。」
そういうと、レインはヘルメットにあるジゼルの手に手を触れた。
ジゼルは、ふたりのことが心配だったが、自分が心配しても仕方が無いのは理解していた。
ロブは、運転席に乗り込むと、計器類を確認した。