ストイコビッチのキックフェイント(笠井りょう)
1985年12月8日、私が生まれる前日、第六回トヨタカップ、ユベントスVSアルヘンチノス・ジュニアーズ戦で、ミシェル・プラティニは幻のボレーシュートを決めた。味方のオフサイドで得点こそ認められなかったけれど、というかだからこそ、ピッチに寝転がって頬杖を付く、という姿勢で審判に抗議したプラティニの姿はすごくかわいかった。
もちろん私が見たのは「やっちゃん」に借りたビデオでだけど、次の一節の傍点部が、特に美しいプレーだ。実戦でするのは難しいけど、練習でなら誰でもちゃんと上手く出来るから、是非、試してみて欲しい。たとえ無人のフィールドで無人のゴールへ向かって誰からもマークされずに決めるシュートだったとしても、それなりに、気持ちいい。
作品名:ストイコビッチのキックフェイント(笠井りょう) 作家名:早稲田文芸会