ストイコビッチのキックフェイント(笠井りょう)
右CKを敵DFがヘディングでクリアする。そのボールをボニーニがヘッドでプラティニの胸元へ送る。DF二人がシュートコースをふさぎに駆け寄る。ペナルティエリア内は左サイド寄りでプラティニはボールを胸で受け、シュートを打たず、自分の頭越しに左サイドへ右足でボールを浮かす。これでDF二人のマークを一気に外し、改めて左足でシュート体勢に入る。ボールの落ち際を左足でダイレクトボレー、しかもゴール右上を狙ったクロスシュート! GKも懸命に飛びつくが、ボールはゴールネット右上をきれいに揺らす。試合を実況中継していた舛方勝弘(当時日本テレビアナウンサー)が叫ぶ。
作品名:ストイコビッチのキックフェイント(笠井りょう) 作家名:早稲田文芸会