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マルタ=オダ
マルタ=オダ
novelistID. 543
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始まりのアポカリプス

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 しかし、その答えは全くもって僕の予想と違うモノだった。冷泉は曰わく言い難い笑みをその顔に張りつけて、言った。
「それはですね。他ならぬ森瑚さん――あなたがシスターさんを連れてきてくれるのですから」
「――は?」
 頼まれたって僕にシスターの知り合いはいないし、いたとしてもこんな教会には紹介しないだろう。
「ど、」
 どういうことだ?と僕が尋ねようとした、その時、
「森瑚――――!!」



「森瑚――――!!って、わわっ」
 私は予想外に響いた自分の声に慌てて口を押さえる。一応ここは教会、静かにしていなければならない場所だ。
「ライカ?」
 やっぱりだ。私の狙い違わず、森瑚はシスエル教会にいた。何故かあるバーカウンターに座る森瑚の前にはサンドイッチ。
 さっき家に迎えに行ったら、森瑚はもう行ったよと晄久さんがよれよれなスーツ姿で出迎えてくれた。昨日、一緒に行こうって言っといたのに。いきり立つ身体を抑えず、私は森瑚に詰め寄る。
「どうしたライカ。お前、学校は行かなくて良いのか?」
「森瑚こそっ!今日は終業式なんだからちゃんと学校出なくちゃ駄目だよ!大体、制服着てきたのになんで素直に登校しないかなっ!?」
「いや、朝食を摂りに」
「もー!朝だって私が作ってあげるっていつも言ってるでしょ!」
 「あー別に朝はいいよ」とか人の親切を断っておいて、その上学校を遅刻してまでこんなとこで優雅にモーニングなんて!幼なじみを無碍にする暴挙、許すまじ。
「いけませんね、森瑚さん」
「あ、雨飾さん。おはようございます。ですよね!もっと言ってやって下さいっ!」
 雨飾さんはちょっとおかしいところもあるけど、曲がりなりにも神父さんだ。聞き分けのない森瑚に、至極もっともでぐうの音も出ないお説教をしてくれるだろう。
「駄目ですよ森瑚さん。――幼なじみキャラの朝ごはんイベントを回避するなど!」へ、いべんと?「フラグが立ちませんよ?何て勿体ない!MOTTAINAI!!」
 何で二度言うんだろう、確かに森瑚は二の句が接げないでいるけど。というか聞いてない?
「フラグとかっ、そういうことじゃなくてですねっ!?」
「森瑚さんはツンデレですからね、どうでしょう、ここはあえて来香さんもツンデレ幼なじみ的に振る舞ってみるのは。入れ喰いですよ?――私がですが」
「何の話ですかっ!?」