がけっぷち生徒会
「はい! おまかせください」
えさえさにはいつものように裏で処理をしてもらうことにした。彼女は見た目に似合わずそういった処理がとてもうまいのだ。きっといい社会人になれるに違いない。
そして色々ふっ飛ばしてティッシュ配り当日!
「どういうことだ。俺は会長就任壮行会の打ち合わせがあるからと言われたから来たんだぞ。なんだこれは」
早朝校門の前でティッシュを配る準備をしていると当日まで真実を知らされていなかったマーブルが騒ぎ出した。本当にうるさいわ。こいつは。
「俺がこんな下々の仕事ができるか。俺は降りさせてもらうからな」
そう言うとティッシュを放り投げて学校に向けて歩きだした。俺はあらかじめ用意していた切り札を使うことにした。
「少し待った。千上真布留いやマーブルよ。お前この学校に居たいよなあ? そうだろう?」
「どういうことだ?」
マーブルは足を止めてこちらを振り向いた。よしよし食いついたな。
「俺に下にはなあ。会長直属の新聞部がついているんだよ。それがどういうことだか分かるか?」
「だから何だ?」
「お前色々とやんちゃしているらしいじゃないか? 俺には学園いやこの町のありとあらゆる情報が集まって来るんだよ」
マーブルの顔は汗だらけになっていた。やがて観念したのか先ほど放り投げたティッシュを拾い出して無言で校門に立ってティッシュを配る準備をしていた。
「みんな笑顔だぞ! そして声を張れ! お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す。あなたの快適ライフをサポートします生徒会です! さあ復唱!」
俺たちは生徒が来るまで復唱を続けた。そして、生徒一人一人に真心を込めてティッシュを差し上げた。途中で先生が乗り込んできたが俺は紳士的な態度で応対した。なんとか全てのティッシュを配り終えて俺たちは達成感でいっぱいだった。
放課後
「来栖君、恐らく今日の感想のメールが届いているんじゃないのかな?」
俺たち生徒会員は放課後に4人全員集まって今日の反省会をすることにした。なんだか気持ち、みんながやつれた感があるのは気のせいだろうか?
「何件か来ているようですので読み上げますがよろしいですね」
「ああ。大音声(だいおんじょう)で読んでくれ。今回はものすごい手ごたえがあるから楽しみだ」