がけっぷち生徒会
その後入れ替わるようにショートカットの小さな女の子が元気に入ってきた。生徒会の書記の江左エサ子(えさえさこ)だ。140cmいってないんじゃないかという身長にも関わらず元気に動き回る女の子だ。
「なんだ。騒がしいな。えさえさ」
「かいちょーさん。ききましたよ。なんでもまたしじりつがさがったそうですね。これががけっぷちというやつなんですねー」
えさえさはなんだかやたらと興奮しているようだった。ちなみにえさえさというのは彼女のニックネームだ。詳しい説明は止めておこう。
「ああ。そうだ。崖っぷちだ。だからなえさえさ。お前も何か良い方法が無いのか考えてくれないか?」
「ふえ。そうですねー。うーん」
えさえさはうんうん唸りながらフリーズしたようだった。彼女にはどうやら難しい問題だったようだ。俺はえさえさは放っておいて自分で考えることにした。
「やはりこれしかないようだな。来栖君、えさえさ、仕事を止めて聞いてくれ」
俺はかねてより考えていた作戦を実行に移すことにした。
「偉大な先人もこう言った「全ての道は阿弥陀くじで決まると」これからの生徒会の方針は阿弥陀くじで決めることにした」
「……はあ」
「かいちょーさん。さすがですね。わたしはそこまではかんがえつきませんでしたよ」
俺は早速阿弥陀くじを作った。途中でえさえさも手伝ってくれたので意外と早くできた。来栖君はというと興味を失ってパソコンで作業を始めだした。
「できた。完璧な出来栄えだ。特にこの縦の棒と横の棒のクロスした感じがなかなかいいぞ」
「はい! たのしみですね。えらんでみてくださいよ。かいちょーさん」
「ああ。そうせかすな。では行くぞ。全ての始まりはこの瞬間に始まる。生きろこの刹那を!」
俺は場所を決めて阿弥陀をたどっていった。
「こ。これは……」
「どうですか? かいちょーさん」
『ティッシュ配りで支持率アップ! ウッハウハだぜ。憎いぜこんちくしょう』
と書いてあった。なんだこれは誰が書いたんだ。俺が書いたんだ。ついに支持率をアップするための作戦が決定した。
「それでは生徒会でティッシュ配りをすることになった。手配をよろしく頼む」
「よろしいですけど予算はどうなさるおつもりですか?」
来栖君が少し苛立ち気味な声で聞いてきた。
「予算のことはえさえさ。いつのもように頼んだぞ!」