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(前編) 黄金山基地の未確認生物たち:あんたには俺がいるだろ

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4話 白いカプセル


 私は娑羅姫にまずは序章としてここまでを語り、興味持ってもらったかなとドキドキしながら大きくフーと息を吐きました。すると意外にも「へえ、結構面白いお話しだわ、それに直樹って結構優しいんだね、さっ、それからどうなったの?」と催促がありました。
 私は……、ホッ!!
 それから残っていたビールを飲み干して、あまり感情を押し出し過ぎないように心がけて続けました。

 翌日午後1時に、浩二から聞いていた白鳥神社の小屋の前へ行ったんだよ。するとね、お兄ちゃんは足踏みしながら未だか未だかと待っていたようで。ここまで誰かに待ち焦がれられたことなんかないよな。そして浩二は俺の顔を見るなり走って来て、俺の目の前にいきなり手の平をさっと出すんだよ。
「おいおい、お前が待っていたのはお金か」とボソボソと文句を付け、「そう慌てるなよ、これは貸してやるんだからな、必ず返すんだぜ」と1万円札3枚を手の平に乗せてやったよ。すると、大声で叫びやがるの。
「感謝感激雨嵐(かんしゃかんげきあめあらし)で~す!」ってね。
 だけど、ちょっと違和感があるよな。だってさあ、雨嵐って?
 ひょっとして雨霰(あめあられ)じゃなかったっけ。そう言えば浩二は嵐ファンだったからかな?
 こんなどうでも良いことを考えてる内に、浩二はさっさっと小屋に入り、万札投入機に3枚差し込み、頑丈な鉄格子の向こうへと。それから実に嬉しそうに声を張り上げてくるんだよ。
「直樹、お前も早く入って来い」とね。
 これって、まるで下宿アパートの近くにあった風呂屋に一緒に行った時のようにね。
 だけど、ここで浩二に3万円使い逃げされたら禍根が残るっしょ。俺も自前の3万円を投入して、急ぎ鉄格子の向こうへと入って行ったんだよ。
 すると奥の壁の向こう側に、そうだな、高さ4m、幅4mくらいの入り口、そこから地下へと続くスロープがあったんだよ。それを50mほど下りると広場があって、そこにゴルフ場のカートのような乗り物が並んでてね、もちろん二人でそれを運転して、さらに地下へと下って行ったんだ。
 10分くらいだったかな、どんどんと潜って行くとおよそ高さ30m、幅50m、長さ100mくらいあったかな、明るくてキラキラ輝いている地下空間にたどり着いたんだよ。
 カートから降りて、二人でようくチェックすると、なにかプラットホームのような……?
 だけど線路もないし、浩二と二人でボーと突っ立ってると、サアーと入って来たんだ。径が10m、長さ30mほどの真っ白なカプセルが。
 ビックリポンでオッタマゲー、オッオッオッと二人同時に後退りしてる時にだぜ、「そこの人間のお二人さん、心配は無用ぞ、さっさとお乗り下さい」とアナウンスがあってね。
「ほう、そうなんだ」と目ん玉をパチパチさせてると、カプセルのドアーがさっと開きよる。
 あとはハズミとイキオイで乗り込んでしまったんだよ。すると同時にドアーがさっと閉まり、音もなく――、発車。