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(前編) 黄金山基地の未確認生物たち:あんたには俺がいるだろ

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 さっきの賽銭も頑張って100円玉1個投げ入れたんだぜ。1万円札3枚なんか俺持ってるわけないしょ。自分ながらお気の毒、俺は鉄格子をぎゅっと握りしめ、「貧乏が、憎い、辛い、悔しい!」と大泣き状態に陥ったよ。
 そんな時にだぜ、不思議だなあ、俺に神が降りたんだよ、そして仰ったんだ。
「浩二、お前には信頼できる友、直樹がいるだろ、今まで随分と未確認生物を彼に紹介してやったな、ご苦労だった、そして今回も持ちつ持たれつ世は情け、そう、相互支援の精神で本プロジェクトを推し進めればよろしい、ってさ、なあ、……、どう思う?」
 俺はこんな回りくどい浩二の話しにしばらく沈黙。
 すると浩二は辛抱を切らせて、「今回の未確認生物は一生に一度の極希(ごくまれ)なんだよ、こんなチャンス逃すわけにはいかないんだよ、なあ頼む、明日3万円貸してくれないか」と半泣き状態で訴えてきたんだよ。
 俺は浩二の未確認生物に架ける愛にテンションが上がり、たまたま1ヶ月の生活費用10万円があったので、「わかった、明日仕事休みだから、午後1時に白鳥神社のその小屋の前で会おう、ただし俺もその鉄格子の向こうへ行くぞ」と返してしまったんだよな。