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近頃おもうこと

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その4


三十代になり、近所のママ友達との付き合いが始まった。
子供が幼児の頃は家の前の広い庭に近所の子供も集まってきて賑やかだった。
塾を再開してからも、夕方になると母と叔母はそれぞれ自分の家に入ったので、子供達は二人だけでリビングで遊んでいた。
二階には塾の生徒が来て八時まで授業をしていた。

授業の途中、子供が階下で揉めて騒いでいる声がするときは、走り降りて叱りつけ又上がって授業をするというのが私の日常だった。

八時には子供を寝かす時間と決めていたので、八時に塾の生徒が帰るとすぐに二人の子供を子供部屋に連れて行き寝かしつけた。早く寝かすことが脳の発達に良いと思い込んでしたことだった。
今にして思えば、九時までの一時間を子供と遊ぶ時間にしてやればよかったと後悔している。

夫は子供が寝た頃に帰宅していた。
子供の顔を覗きに行くことはなかった。

作品名:近頃おもうこと 作家名:笹峰霧子