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人生の織物

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ともだち その1


一時SNSだけが癒しの場となっていた時期がある。
その理由は夫が脳梗塞で併発した虚血性認知症で穏やかな家族とは言えない状態だったし、母が亡くなったのちに県外に住む娘に赤ん坊が生まれたので世話をしに行き来していたからだ。地元に居る日よりも娘の家に滞在しているほうが長かったのでネットの友達と話すしかなかった。

ネットの友達は自分よりはるかに若い人を選んでいたので、私が知らない新しい知識を個人的にメールで教えてもらった。みなから沢山のことを教えられた私はパソコンでできることを次々手を広げていった。
もしそのような場がなかったら、地元で趣味や生活のグループに入って勉強したり、わずかの女友達とおしゃべりするぐらいだったかもしれない。

異性と話すことは夫以外まず無かったのだが、ネットの中では男性との繋がりの方が多く彼らはみな知識が豊富だったので、まるで幾人もの先生に付いてもらっているような状況だった。
詩や小説を書くなど思いもしなかったが、SNSの中に発表する場ができてから才能豊かな友達の後をついて自分も書くようになった。亦、写真をネット上に載せたいとの思いからデジカメを買った。それまでデジカメの意味すら知らなかったので、デジカメとは何者だろうなどと思っていたぐらいだ。

デジカメから次に一眼レフに移った。ぼかしの写真を撮りたいというきもちになって、そのことに共感してくれた夫が自分の小遣いで大きな一眼レフを買ってくれた。当時は一眼レフは途方もなく大きかったので、車に重い三脚も積んで、用心棒に夫を伴いあちこち出掛けたものだ。
子供の家に行くようになったときコンパクトな一眼レフカメラに替えたので、今もその機種の何台目かを使っている。

作品名:人生の織物 作家名:笹峰霧子