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人生の織物

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その2


不安というものは精神上の症状なので嫌なものである。二種類に分けて、実際の問題に不都合がある場合の不安はそれが解決すれば落ち着く。もう一つは前章に書いた何となく不安というのは厄介だ。原因として少しでも思いつけば、それはそれであのことならどうこうしようと思えるが、なんとなくというのが嫌だ。不安の源を探しても思いつかないという代物だ。

私が思うに、身体がどことなくしんどいとかというのも不安なもので、頼れる家族がいないと猶更だ。年齢のこともある。歳を取ると若いときのような思い切った行動が取れなくなる。遠くの家族が大変なときも出かけて世話をしてやれない。道中の体調にも自信がないので控える。そういうときはせめてもの応援としてまとまったお金を送ってやる。お金に余裕のない者はそれもできない。只々黙して陰ながら気を揉んでいる。

年を取ることも、身体が弱って来ることも自然の成り行きなのでどうしようもない。諦めるしかないのだ。そんなときは何も考えず、庭の草でも引いていればなんとか落ち着くものだ。庭がなければそこらへんを歩き回っていればいい。

私の叔母が認知症になって、街中を歩きまわっていた時期があった。あれは不安で不安で仕方なかったのだろう。もし子供がいれば、私よりも心配をしただろうけれど、私は当時鬱陶しいと思っていた。転居したとき一緒に連れてきて、邸内の小さな家に住まわせて食事を運んでいた。

人は仕方なく衰えて死んで行く者もいるということだ。



作品名:人生の織物 作家名:笹峰霧子