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老後の大切なもの

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その4


高年になって何か趣味を持つようにアドバイスしても何をして良いのか、それがなかなか見つからない。趣味というものは長年かけてようやく楽しめる域に達するものなのだ。

私がパソコンで色々物を書いたり写真を撮ってブログに貼ったりできるのも、20数年まえから始めていたからこそできることだ。ピアノは子供の時から習いこれまで続けていたのでかなりの難しい曲を弾くことができる。
高齢になってピアノを習う人はそれはそれで楽しめば良いが、大概な人は途中でやめてしまう。

私は10年前から俳句に誘われ、指導されて、今は地元の句座に籍をおいているが、そこにいらっしゃる80代後半の方は皆60年の句歴があり、仲間の結束は固い。
私は尻尾に付いている立場だから選句もあまりされず、句会を楽しむ域には達していない。いっそやめようかと日々悩んでいるが決断もつかず出席している。それほど趣味を楽しむ域に達するには年月がかかる。


作品名:老後の大切なもの 作家名:笹峰霧子