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火曜日の幻想譚 Ⅳ

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467.羊飼い



 昔々、とある山奥の村に一人の少年が住んでしました。

 少年は母と二人で住んでいましたが、近々、羊飼いになることが決まっていました。彼はいい年になるまでふらふらしていたので、少しは親孝行ができるなと思って喜んでいました。

 さあ、今日が初出勤の日。ところが、少年は羊牧場にやってきません。心配した牧場主が彼の家を訪れると、彼は胸を刺され冷たくなっており、傍らには母が泣き崩れていました。

 驚いて母親に事情を聞くと、母親は息子を殺したことを告白しました。牧場主が理由を問うと、母はぽつりぽつりと語り始めるのです。

「あの子は、小さい頃からうそつきでした。だから、羊飼いなんてさせたら、必ずおおかみ少年になってしまうと思ったのです。この小さな山奥で、羊が全ておおかみに食われてしまったら、村人は生活していけません。だから、そうなる前に、一思いにやってしまったのです」

 そう言いながら泣きじゃくる彼女。それをなだめ、牧場主は山のふもとの警察に連絡を取ります。

 牧場主も誰もいない羊牧場を、おおかみの群れが襲っているのをつゆほども知らずに。


作品名:火曜日の幻想譚 Ⅳ 作家名:六色塔