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はなもあらしも ~颯太編~

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 那須道場を出ると、颯太がこちらを見て笑っていた。

「父上、颯助を離したがらなかったんじゃないか?」

 少し大人になったその表情は、昔と変わらずいつも笑顔だ。

「本当に、親馬鹿ではなく、じじ馬鹿なんだから」

 颯助を間に挟み、ともえと颯太は顔を見合わせて微笑んだ。
 初めて出会ったあの日からもう何年も経つが、いつも楽しく幸せな気持ちで居させてくれる互いの伴侶を尊敬している。
 愛する息子も弓道の道を歩き出し、幼いながらにメキメキと力を付けて行っている。最近では近隣の弓道の試合の子どもの部で優勝をしたほどだ。

 ―――本当に幸せだ。

「颯太、ありがとう」

 ぼそり呟いたともえに、颯太が照れたように言う。

「それはオレのセリフだっての。なあ、颯助?」

 繋いだ先の澄んだ瞳は、満面の笑顔で答える。

「はい! 父上、母上、那須のじじ様ばば様、日輪のじじ様ばば様、おじさま達皆にありがとうです!」
「そっか、そうだな! みーんなに『ありがとう』だな!」

 親子三人の頭上を照らす大きな太陽にも負けない颯助の笑顔は、きっともっとたくさんの幸せを二人にくれる。

 そう、確信を与えてくれた。





         はなもあらしも  颯太編  完