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はなもあらしも ~颯太編~

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「でも、証拠もないのに勝手に決めつける訳にはいかないよ。問題起こして試合がご破算になったりしたら、それこそ余計にもめそうだし」

 辻斬りのような卑怯な事をしでかす連中だ、こちらから言いがかりをつけて、決定的な証拠が出なければ何を言って来るか分かったものではない。颯太は布切れを再び懐に戻し、ともえの怪我した足をじっと見つめた。

「お前、うちの道場の事、本当に真剣に考えてくれてんだな。嬉しいぜ……よし分かった。お前がそう言うなら、犯人探しはやらねー。その代わり、もしまたお前に何かちょっかい出そうとして来たら、その時は止めても無駄だからな」
「颯太……」

 にいっと白い歯を見せていたずらっ子のように笑う颯太に、ともえは笑った。

「今日はたまたまオレが見つけたから良かったけど、オレがいない時に何かあると怖いしな……よしっ! 今度からは外に出るときはオレに声掛けろ! 一人歩き禁止令だ!」
「えっ? 一人歩き禁止!?」
「やっぱ男は女を守らなきゃな。だから、オレを頼れよ。まあ、オレがいない時は真弓兄でも道真でも美弦でもいいから、とにかく外出するときは誰かと行く事。いいな?」

 ぐいっとともえの鼻先に顔を突きつけ、颯太は険しい顔で詰め寄る。その迫力に押されるように、ともえは無言で頷いた。

「ようし! もし一人で外出したりしたら、罰だからな!」
「罰って?」
「罰は罰だ! お前が嫌がる事をやる。ーーーともえの苦手なものって何だ?」
「教える訳ないでしょ!?」
「んだよ、ケチ。それじゃあ一週間厠と風呂掃除な!」
「ぷっ!」
「笑うなよ! お前の罰なんだから、ちゃんと約束守れよ!」

 少し恥ずかしそうに顔を赤らめ、颯太はそう言い残して部屋を出て行った。
 もっと颯太と話しがしたい。美琴も真弓に対してこんな気持ちになるのだろうか。