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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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第4章: 監視映像



 早速翌朝、監視映像を入手してから、署に出勤した南刑事は、PC画面に映し出されたその動画を、念入りに確認していた。そこには奈美がコンビニに出かける様子が、薄暗い中ハッキリと写っていた。しかし、奈美の部屋がある2階には、カメラが向いておらず、部屋の様子までは写っていない。
 結局、奈美が帰宅するまでに、アパートに出入りした人物はいなかった。落胆している南の後ろから、北木刑事が、
「南くん。その時間以外に通行する人物で、2階を見上げるヤツが居いひんか、探してみ」
「あ、北木先輩、見てたんですか」
「うん。2階の部屋は写ってへんかったけど、画面の端がちょっと、点滅したみたいに見えてん」
「え? そうでした?」
「部屋の電気は、ホンマに点いたんとちゃうか?」
 二人がもう一度その場面を確認すると、確かに明かりが灯ったとも思えるような、僅かな光の変化があった。
「やっぱり、誰かが部屋に侵入したんでしょうか?」
「おもろい事件かもな。でもホンマやったら、絶対犯人捕まえなアカンで」
東出警部補もその映像を見て、通行人ではなく、同じアパートの住人の犯行の可能性を示唆した。そして、南に捜査することを許可したのだった。

「じゃ。準備はOK?」
 郵便局の終業時間に、大原は奈美に近寄って、耳元で言った。
(やだぁ。打合せか)「はい、大丈夫です」
「じゃ、行こうか」
「え? ここでするんじゃないんですか?」
「何言ってんの? こんな味気ないとこで、打合せなんてやってられないでしょ」
奈美は戸惑った。罠に嵌められた様な気がする。
「じゃ、どこで?」
「いい店知ってるから、付いておいでよ」
 そのまま断る勇気もなく、奈美は大原の車に乗せられた。狭い軽自動車の前席で、奈美は警戒をさらに強めていた。