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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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205号室にいる 探偵奇談23

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好奇心



「なあ、こないだの動画めっちゃ再生数伸びてる!」

昼休み、潤の机に隣のクラスの尾花と和多田が集まって来た。スマホの画面を見せられ、潤はおお、と歓声を上げる。三人は一年の頃からの友人同士で、三年生になってからもつるんでいる。進路だ就職だと悩ましい問題が迫る彼らにとって、気兼ねなく遊べる仲間というのは貴重だった。特に、進路を巡ってそれぞれが前を向かなくてはいけないという現実から逃避したい潤にとっては。

「すげえ、今までの中で一番人気になってんじゃん!」

再生回数を見て潤は驚いた。自分たちの作った拙い編集の動画が、こんなにたくさん再生されているなんて。

「俺らもついに人気投稿者?」
「やべえな!」

二年の冬から、潤らは面で顔を隠して動画投稿サイトに動画をアップするようになっていた。はじめこそ、筋トレやゲーム実況といったありふれた物だったのだが、動画の伸び率が悪くて趣旨を変えた。「突撃シリーズ」と題したそれは、町中のカップルに突然声をかけて驚かす、店の客や店員にどっきりをしかけるといった類のもので、非常に受けがいい。
今回人気が出たのは、他人の家の前にエロ本を置いて反応を隠し撮りするというもの。もちろんモザイク処理をして個人情報が出ないようにといった配慮はしている。

「次はもっと面白いの撮りたいよな」

尾花が言う。インパクトは大事だ。視聴者を笑わせて、驚かせたい。その反応がくせになるし、楽しいのだ。

「あ、むかつくコメント発見」

和多田が口を尖らせる。

「どれ?えっと…こういう他人に迷惑をかける動画は不快です、だと?そんなら見るなよ。ブロックしよーぜ」
「優等生はおうちで勉強してろってのな」

三人で笑いながら次の企画を練る。学校にばれたらやばいが、今のところは特定はされていない。どこまでやれるのかという意欲が潤らを掻き立てていたし、実際軌道に乗っているとも思う。

「突撃シリーズで心霊スポットやって下さい、ってコメ多いな」
「あー、ほんとだ。突撃シリーズなら他の投稿者が出来ないような心霊スポット凸してくれるはず、だって。みんな好きだね~怖いの」
「でもありだよ。夏も近いし」