小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

205号室にいる 探偵奇談23

INDEX|1ページ/33ページ|

次のページ
 
鎌田潤(かまたじゅん)は、暗い部屋で一人膝を抱えていた。深夜一時を回っている。静まり返った部屋に、ぴこん、ぴこん、とラインの通知を知らせる音が鳴りやまない。眠れない。眠るのは怖い。ラインのメッセージに目を走らせる。

≪和多田、もう連絡つかねえ≫
≪次は俺だ≫
≪やべえよ≫
≪こわい≫
≪誰か窓たたいてんだけど≫
≪潤、助けて≫
≪こわい≫
≪こわい、窓の外いる≫
≪行かなきゃだめだけど怖い≫

メッセージはしきりに怖いと訴えてくる。潤はスマホを握りしめた。

「俺だって怖えよ…!」

あんなこと、するべきじゃなかった。後悔しても遅い。潤は布団を被って朝が来るのをひたすら祈る。

脳裏に、冷たい瞳をたたえた須丸瑞(すまるみず)の顔が浮かんだ。あいつは全部知ってるんだ。だけど助けてはくれない。俺達はしてはいけないことをしたから。

ラインの通知音が、やんだ。
友人からの最後のメッセージは≪205号室にいる≫だった。

「…ごめんなさい」

潤は呻くように繰り返す。だけどもう遅いのだ。許してもらえない。二人分の命でも贖えないことがわかった。


あの日、あんなことさえしなければ…




.