205号室にいる 探偵奇談23
鎌田潤(かまたじゅん)は、暗い部屋で一人膝を抱えていた。深夜一時を回っている。静まり返った部屋に、ぴこん、ぴこん、とラインの通知を知らせる音が鳴りやまない。眠れない。眠るのは怖い。ラインのメッセージに目を走らせる。
≪和多田、もう連絡つかねえ≫
≪次は俺だ≫
≪やべえよ≫
≪こわい≫
≪誰か窓たたいてんだけど≫
≪潤、助けて≫
≪こわい≫
≪こわい、窓の外いる≫
≪行かなきゃだめだけど怖い≫
メッセージはしきりに怖いと訴えてくる。潤はスマホを握りしめた。
「俺だって怖えよ…!」
あんなこと、するべきじゃなかった。後悔しても遅い。潤は布団を被って朝が来るのをひたすら祈る。
脳裏に、冷たい瞳をたたえた須丸瑞(すまるみず)の顔が浮かんだ。あいつは全部知ってるんだ。だけど助けてはくれない。俺達はしてはいけないことをしたから。
ラインの通知音が、やんだ。
友人からの最後のメッセージは≪205号室にいる≫だった。
「…ごめんなさい」
潤は呻くように繰り返す。だけどもう遅いのだ。許してもらえない。二人分の命でも贖えないことがわかった。
あの日、あんなことさえしなければ…
.
≪和多田、もう連絡つかねえ≫
≪次は俺だ≫
≪やべえよ≫
≪こわい≫
≪誰か窓たたいてんだけど≫
≪潤、助けて≫
≪こわい≫
≪こわい、窓の外いる≫
≪行かなきゃだめだけど怖い≫
メッセージはしきりに怖いと訴えてくる。潤はスマホを握りしめた。
「俺だって怖えよ…!」
あんなこと、するべきじゃなかった。後悔しても遅い。潤は布団を被って朝が来るのをひたすら祈る。
脳裏に、冷たい瞳をたたえた須丸瑞(すまるみず)の顔が浮かんだ。あいつは全部知ってるんだ。だけど助けてはくれない。俺達はしてはいけないことをしたから。
ラインの通知音が、やんだ。
友人からの最後のメッセージは≪205号室にいる≫だった。
「…ごめんなさい」
潤は呻くように繰り返す。だけどもう遅いのだ。許してもらえない。二人分の命でも贖えないことがわかった。
あの日、あんなことさえしなければ…
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作品名:205号室にいる 探偵奇談23 作家名:ひなた眞白