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星の流れに(第二部 南方戦線)

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「兵站病院からよ、爆撃を受けたの、運び込まれた中にはアメリカ兵もいるわよね」
「……そ、そうだな……」
「自国兵がいるかもしれない病院を平気で爆撃した、あなたたちは見捨てられたのよ」
「そ、そんなことがあるはずは……」
「そうじゃないとしたら……捕虜が生きて手当てを受けているなんて考えてもいないと言うことじゃないのかしら」
「……」
「アメリカ軍は日本兵を捕虜にしないで撃ち殺しているんじゃない? 自分たちがそうするからきっと日本もそうするに違いない、捕虜になった兵はもう殺されてるって考えてる、違うかしら?」
「…………」
 長い沈黙は肯定の答えに等しかった、この兵も白旗を掲げた日本兵を撃ったことがあるのかもしれない、もしかしたらそれは兄だったかも……。
 そう考えると憤りで身体が震える、殺してやりたいとすら思う。
 だが、そんな幸子の様子を見てきまり悪そうにしている兵を見ると、自分は看護婦なのだと思い直した。
「それでもあたしは病人やけが人は看護する、それがあたしたち看護婦の使命だから……白人のあなたからすれば日本人の看護を受けるのは不本意かもしれないけど、あなたたちがジャップだのイエローモンキーだのと呼んでいる日本人は弱っている人、困っている人を見捨てたりはしない……」
 それ以来、その兵に限らず、捕虜が横柄な態度を取ったり過度の要求をしたりすることはほとんどなくなった。